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 砂上のエピタフ 
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2011.01.02 (Sun)

灼眼のシャナ1

シャナ

そして、時代遡りますが、こちらになります。
なぜかこれまで富士見ばかりで電撃は初。
無茶苦茶こちらも多分有名そうです。アニメは未視聴。
前作とは、くぎゅー繋がりらしいです。
純粋に小説単品で評価します……けど、結構酷評になりました、これ……。
ファンの人は見ないほうがいいかもしれませぬ……。
純粋に楽しみたい未読の人は、この私のフィルターなしに読んで欲しいです。

これまでにないフルボッコが目立つレビューになっています。
でも、その分、誉める点もある作品でもあります。

って、これだけレビューとか語らざるを得なくなる時点で、
この作品はいろいろと盛り上がれてしまう作品なのか?!

【More・・・】

ていうか、ファンタジーでなくて、伝奇なのね。


何が悪いと言い切ってしまうのですが、描写が劣ります。

でも、設定はかなり光るものはあると思います。
それだけで、ほとんどのマイナスを払拭できる力もあります。
ラノベは技巧ではなく、勢いが最初に大事になるのかな、と思われます。
確かに技巧なんて、後からいくらでも鍛えればいいですしね。

でも、この描写の少しきついとことだけ認識させてください。


1.主観が狭い/短絡性
まず、これがどうしても眼についてしまうところがあります。
勝手に判断してしまうような、客観の狭さが気になります。 
主人公やシャナの主観で勝手に判断しているところがあります。
本人達の思考・見解・行動は短絡的でも、ある程度構わないですが、
三人称の作者の視点ですら狭量・短絡的であるのは困ってしまいます。
ひとまず、大人のもう少し広い視点すら入らない所が気になります。
主人公らが子供でも、大人な視点を供給する人はいるべきです。
この作品だと例えばアラストールからそういう視点を供給できるのに。

2.人称の混同
台詞も何もなしに、カメラワークが移り変わってきついです。
アニメ的なカメラワークを意識すればどうにか分かるかも分かりませんが、
小説だけだといつのまにか人称が切り替わって混同させられます。
読みにくいというよりも、何となくこれ気持ち悪さがあるんですよね。
知らないうちに愛用品の位置をすり返られ、一瞬気付かず、後で気付く感じ。

3.説明ェ……
妙に多いですし、半分くらい減らせる気がします。
それで読者を気を惹きたい気も分かるのですが、
もっと減らして平易にできるものではないでしょうか……。
あと戦闘シーンも冗長に感じてしまいます。
メリハリつけて、半分くらいで十分盛り上がると思われます。


以上、3つを意識せずには、読み進められない気がしました……。
でも、設定のシンパシー(共感)だけで全部払拭するくらい勢いあります!



P11~P12<プロローグ>
いきなり主人公のプロフィールを批評家のように列挙。
どの情報も記憶に入らないですし、正直いりません。
平凡を示すなら、日常描写で足りるかと……。
敢えてざっくり言えば、平凡であることは書くに値しない。

P13<日常は喰われる>
批評的に主人公の位置を評しているかのような三人称。
なーんか違和感あるような気もします。
リリシズム意識しても、どこかかみ合わないような感じも。
同時に見る距離とか、バラバラのような感触も受けます。

P20~23<人形の感想>
章も変わってないし、台詞とかの明確な区切りも無い。
それでカメラ位置を変えるのは、結構唐突に思われる。
分からない他人の意識は類推で済ませるのがベター。
こういう人称の唐突な移り変わりが、それなりに多いです、この小説。

P23<事態収束と少女>
やっぱり静に移ってから、人物を描写するのは、やりやすい技法。
あと人を描くときは、目立つパーツを先に意識するべき。

P39~<説明フェイズ>
しかし、落ち着くまでが妙に長いし、冗長にさえ思えます。
説明しないのに、宙に浮いたままの根本的な疑問が多すぎる。
もうちょっと分散化させるか、キーワードを絞ったほうがいい。

あと、ここで説明する必要は、実はなかったりする罠。
理由無いなら、いつもの通りなら、さっさと逃げるはず。
ミステスを見守る役割を明かしておくか、
見守ることを思いついてから、説明してもいいかも。


P46~P51<少年の絶望>
極端な表現に挟まれる少年の台詞や気持ちが、テンポ遅れだったり、
勝手にいきなり進んで、読者を置き去りにしていたりする。
所々の表現は悪くは無いけど、それを使うことを目的化してしまい、
バランスが悪くなってしまっているような悪印象を受ける。
設定については、現実のもしもに上手く切り込んでいて、
魅力的かもしれない、とは思わせるけど。

P57<自分がいなくなった世界>
こういう誰もが抱きがちな(一種のナルチシズムにまみれた)
現実の状況を再現することは重要。
自分が考えた世界観、これから作る話において、
何らかの皆が抱きがちな幻想と重なるものがないか考える必要がある。

P62<日常の崩壊>
やっとあらすじの日常の崩壊というテーマが現実味を帯びる。
一つの事実や裏側を知ることで、日常が一気に揺らぐ絶望感。
設定やシチュはそれなりに尖ってる。
日常という素材を上手く生かしている。

P75<先生>
大人を馬鹿にしたり、下手に断じてはいけない。
作者自身が関心のないものでも、リスペクトは必要とされる。

P96~<悪役フリアグネ登場>
まぁ変人で極端な格好をしている悪役でござい。
そして、いちいち説明フェイズが長いし、意味不明用語が多すぎる!
何か悪役でも視方でも、分かりやすい武器や特技を持たせれば、
設定も戦闘もメリハリが出て、引き締まるのかも。

P106<仕方ない状況の発想転換>
こういう自己犠牲や、リスクを乗り越える決断ができてこそ主人公。

P114<少年の優しさ>
何かずっと思っていたんだが、この少年のいきなりの優しさや格好つけ、
設定のそれっぽさといい、ものすごく型月っぽい(良くも悪くも)。
主人公フラグとして、ヒロインに感情移入しまくり、
またヒロインもその優しさや好意に惹かれていく。
誰にでもありがちな優しさみたいな、お節介で惹かせるのは、
それなりに自然で、読者の好感や感情移入を招ける。

P130<少女の気持ちの芽生え>
こうしてここまであからさまな文章にしないで、
こんなツンツンキャラなんだから、もっと密やかにだな……

P143<うるさいうるさいうるさい>
特徴的でチャーミングらしき口調は、何度か出しておくべきなのか。
読者さんが覚えてくれるようには。

P144~145<カメラ切り替え>
またいつの間にか、章区切りどころか、
会話中で唐突に、人称切り替えするなー。
なんか気持ち悪いー。

P157<この街は妙>
「言われれば、なんでもそう思えそうだった。
 今まで~、しかし、その薄皮の向こうには~
 別の外れた世界があるのではないか。」
何気ない問いかけから、主題を確認させたり、
状況を俯瞰させたりするのはいい感じ。

P160<シャナの心情>
明かすのはちょっと早計にも思える。そして、またいきなりカメラ主変えないで。
気持ちをこんなにざっくり書いてしまっては、ちょっとつまらない。

P164<悪役の動機>
タイミング的にはやはり最後の決戦前に出しておくのが適度。

P174<悪役の陰謀>
さり気ないヒントから気付く感じはいいけど、テンポ遅いような……。

P183<シャナとアラストールの感傷>
こういうinterlude挿話風にヒロインの感傷入れるならすごくいいけど。
さり気なくて一呼吸置いた明かし方でいいと思うんだけどなぁ。

P194<少年も作戦会議>
段々、こうして無力な主人公が戦力になっていくのは、読者として気持ちがいい。

P207<カメラ主の混同を防げ>
例えば、ここのシャナ&悠二退場と、池のつぶやきを行を離すだけでそれなりに違う。

P219<敵の出現>
句点(、)打って、改行。危機感を出せる。
やっぱ短文で改行が多いと、事態が急展開で加速中と思わされる。

P221<「こ」「ろ」「す」>
このラノベは厨二臭全開なのだなぁ、と思わされる瞬間。

P223<並み居るフィギュア>
だから、こういうシリアスシーンで、趣味の共感を訴えるオタクワードは、
興ざめを招く危険性も高いから、控えた方が……。
あと、後書きもセンスがなくて、正直……。

P229<主人公の気付きによる回避>
主人公の力の源・性質が分からないまま、決戦突入。
そして、それが決戦で生かされる。戦いとしては燃える展開。
でも、全般的にものすごくFateとダブる。展開について特に。

P231<人質にされる主人公>
ネタバレ。
今までなら叩き斬ってきた障害を、心が邪魔して斬れなかった。
この物語を通したヒロインの変化、その変化への対峙・対決。

一気に戦闘が面白くなってきました。

P233<シャナの葛藤>
クライマックスでこうなってくると、こっちは燃える。
それにしても主人公、最初から最後までテラヒロインwwwである。
割といい感じの葛藤要素かと思われます。

P236<ドレスの描写>
アマゾンレビューで同様の指摘している人がいて驚いたけど、
確かに「きらびやかさ以外、何も求められないドレスを着たマネキン……」
このドレスの役割を断じているような表現は突飛。にーど・りすぺくとー。

P238<自分が変えてしまった責任
ネタバレ。
責任とか罪悪感を感じるのは別にいいし、むしろ葛藤するべき。
でも、自分が変えたという傲慢な充実感を、この危機的状況の中でも
感じてしまう、
描写してしまうのは、正直、かなり不快に感じました。
先生の描写の辺りでも、強い違和感と不快感があったのですが。
こういうナルチシズムと傲岸さを感じてしまった時点で、
私はこの人の次の作品を読む気持ちが薄れました。

P244<シャナが構わず闘おうと決意しているだろう
ネタバレ。
この気持ちの断定は正直気に食わない。祈りや願望に留めるべき。
信頼にまでいってないのに、こうも人の気持ちを断じないで欲しい。


P243<コレクション自慢>
いかに絶望的な状況なのかを、説明するシーン。
これを敵がコレクター趣味でひけらかしたがっている、
というシーンを挟んで紹介するのは、結構スムーズ。

P254~255<主人公にできること>
無力な主人公にも、その機転と思いつきで補助できることがあれば盛り上がる。
あれだ。豆戦士さんの康助くんが燃えるような効果だ。

P257<そして、テーマへ>
揺らいで残らない存在なら、今残すために何ができるか考え、行動したい。
急にそこに戻ってきてびっくりしています。
もっと準備とかフォーカスの仕方があるような。
危機感とか気付きが妙に唐突なときがあるというか……。

P268<ラストアタック>
何が起こったのか、ぶっちゃけ結構分からない。
いや、戦闘全般でそういうことが少し見受けられます。
改行が多くて、言い切りが多くて、スピード感はいい感じですが。

P280<フィナーレ>
ネタバレ。生き残るのか、生き残れないのか。
こうしてどうなるか分からず、ハラハラさせるのはいい感じ。
その上で、ベストの生き残る選択をさせれば、読者は満足する。



<この作品のいいところ>
メモではフルボッコですが、いいところは普通にあります。

まず、設定の着眼点です。
日常のある点に気付いて、日常が様変わりする型。
伝奇、もっと言えば退魔モノの流れを汲んでいます。
その中でも日常との親和性が特に高い設定です。
それを敢えてざっくりシャナとのやり取りに終始させ、
ボーイミーツガールに上手く仕上げてる感じですね。
この設定を見た時点での、日常様変わりっぷりは買いです。
えっ!街行く人々なんでもないように見えて、実は!
しかも、俺の身の回りも本当は!?
っていうのが、他よりもベターなランクで輝いています。
こういうゾッと日常に切り込むような設定の仕方は、
上手い感情移入や驚きの効果を狙えるので、
是非とも狙っていきたいものだと思います。

次に、ラノベの王道を上手く踏襲しているとこです。
メモで誉めているところは、ほとんどこれだと思います。
ターニングポイントや、盛り上げるところでの転換。
一種の展開を盛り上げるための定理を、しっかり踏まえています。
終盤の主人公の動き方、注目され方は非常にいいです。
ある意味、シャナの続刊を読むとしたらば、
私ならこの盛り上げの発想の吸収に勤しむと思います。

あとは、キャラクターを挙げておきましょう。
これも好き嫌い別れるところもなくはなさそうですが……。
単純にかわいい女の子が、かわいいことをしてれば、かわいいです。
かわいいシャナが、お菓子食べて、隣で眠ってれば、かわいいんです。
動物に例えれば、孤高な子猫ちゃんで、懐かせたくなるんです。
あとビジュアルとかイメージに結びつきやすいのも好感です。
灼熱色の髪と眼、これだけでこの作品を象徴できるのも大きいです。

一種のイメージを決めるものがはっきりしているのは、売り込みやすい。
複雑な世界観でありながら、シャナのみにイメージを背負わせたのは正解。
これだけで何が分からずとも、シャナだけを視てればOKになります。
下手に複雑化しやすいラノベで、これだけシンプルに代表できるのは見事です。
マーケティングという意味では、これは確かに宣伝しやすいと思われます。
というか、もしかすればこれが一番の成功の秘訣かもしれませんね。
シンプルでキャッチーで脳裏に残りやすいマスコットは、それだけで強い。
これを売り込めるチャームポイントある作品は、意外と少ないかもしれません。



<そして、その裏目>
一方で、上の長所がすべて短所になりうるのが恐ろしいところです。

設定がいいとはいえ、ありふれていると言えてしまうのも事実です。
隠蔽方法と設定を練っただけで、他とそこまで変わらないとも言えます。
逆にややこしくして専門用語増やしただけ、とも断じられます。

王道を踏まえているとはいえ、他の作品だってしっかり踏まえています。
盛り上がる作品は他にもいくらでもあることでしょう。

キャラだって、みんなかわいいキャラをぶつけてきます。
それこそ好みに合うかどうかになってくるでしょう。

そして、最初に踏まえた描写のアレコレが気になってマイナスになります。


すべて言えるのは、読書経験(同系統の作品に触れた経験)が多い人ほど、
この作品はウケにくいものになりがちである、ということです。
バランス良く長所を踏まえているのですが、あくまでそこまでなのです。
突き抜けているかと言われると、全般的にそうでもない感があります。
さらに描写の粗も目に着きやすくなって、評価が下がりかねません。


<私、個人的には>
正直、一番受け付けない、と思ったのは、メモにもあるのですが、
自分の感じる世界を全てと思っているような三人称が見え隠れすることです。
他者他物の尊重つまりリスペクトや理解に欠ける描写が散見されますし、
その軽蔑が一種の相対化の一環で、それを確認させる視点があれば、
私もそういう青さを利用した演出と思って、安堵できるのですが。
そういう一歩距離を置ける、客観的な複線の不存在が響いています。

ざっくり言えば、作者は傲慢じゃないか?と思わせてしまう危うさがあります。
読者はある種、作者の完全性をそれなりに信頼して読むことになります。
その信頼性を裏切るリスクはできる限り、避けるべきになります。

この不和から、やはり感情描写がかみ合わない感じを何度も受けました。
唐突さ、ナルチシズム、こういうのを読者に悪い意味で感じさせてはいけません。

描写云々は描いているうちになんとかなるだろーとも思いますが、
この感情や視点の狭さは、改善されるかどうか信頼が湧かないので、
私は続刊を読むのは、ちょっと気が進まないなーと思ってしまいました。
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