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 砂上のエピタフ 
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2011.01.07 (Fri)

狼と香辛料1

wolf.jpg

そんなわけで、ヒロイン系3つの最後を飾るのはこちら。

とりあえず他と比べて、会話がかなり楽しいことに驚きました。
あと私は年寄りだから、この老獪なヒロインの方が好みかも。

そして、エコノミカル・ファンタジーという触れ込みは何だwwww

【More・・・】

P13~P14<プロローグ>
ホロの一人語り。一応寂しい情景ではあるけど、さっぱりしている。
あと遊牧民的な世界観を予感させる清涼感ある描写。
すっと印象に残りやすい、涼しい風が吹きぬけるようないい表現。

P17~P23<ロレンスの稼業>
最初に世界観を示すために、いつもの生活や施設を歩かせる。
または、階級や生活の暮らしについても情報を置く。
主人公がそれなりに理知的なのも示す、いい一幕。

P23~P24<広がる麦畑>
なんだろう、この広がる黄金色の夕焼けと麦畑の瑞々しさは。
なんかここに立ってみたいような心地よさを感じさせる。

P28~P32<ロレンス人恋しい>
何というか、主人公は人を受け入れる余裕があったり、
迷信深く信心深いの表現通り、いろんな価値観をうまく尊重できる人柄。
この牧歌的世界観を代表して、穏やかで好感。

P32~P38<ホロとの出会い>
まさに何となく今まで追いかけていたかわいい女性は小動物的、
このテーマに真正面から切り込んでくるキャラwww
そのキャラの出自などからイメージされるものから容姿を逆算し、
描いていく感覚を受ける。あと何度も「美しい」を使っている。
今回は青年が主人公なだけに、その辺が少し大人っぽい表現も。
対応も冷静で理性的、うん、そこはやっぱり商売人。
あと無邪気で天真爛漫なんだなぁ。

P39<ホロは神?>
「わっちは……ホロ以外の何者でもない」伏線とか核心っぽい。
事前の挿絵もあって、非常に印象に残りやすい場面。

P56~P58<ホロと豊作>
へそを曲げるときは、へそを曲げる。
本物の神とはこうかもしれない、とあるように、奔放である。

P67<ホロはロレンスと旅がしたい>
この二人もある意味対称的なのよね。
媚の世界に生きてそれを利用することを学ぶ世界のロレンス。
媚は知っていてもそれを利用する必要のない世界のホロ。
……と思ったけど、意外と夫婦漫才してるだけで対比が浮き立たないw

P69<奇妙な二人旅が始まった>
「奇妙な二人旅が、馬のいななきと共に始まったのだった」
こういう文の最後のまとめ方が、余韻も残りつつ、この人は上手い。

P75<麦袋の首飾り>
「首から下げられるのが、なおよい」
主人公からのプレゼントがキーアクセサリーあるいは
キーアイテムになってくるのは、結構気分が弾む。

P77<弾む会話>
単純に会話のやり取りが心地よい。

P82~P84<ビジネス会話>
こういう相手の立場を意識しながらのビジネス会話は、
利害が絡むし、現実感を得て作品が引き締まる。
妥当なら共感も得やすい。

P85<尻にしかれないようにするのが精一杯だ>
会話に内容やウィット(皮肉)や意図が込められてるから楽しいのかな。
会話は内容を含めるべき。P118も楽しい。

P87<おいしいものを目にすると、尻尾が揺れる>
ハァハァ

P92、P96<ホロと感慨>
段落が数段空く前の余韻の残し方が、言葉少なでも感じさせてくれる。

P114<りんご……>
「他人の胸中が分かっているときほど、楽しい瞬間はない」
何だかこの小説全般がこの快感が連なっているお話。
そのやり取りと探りがを、読者がいつの間にか楽しんでいる。

P123~P132<商売フェイズ>
結構目新しいシーンなのかも。こういう利害絡むシーンはドキドキするし。
でも、読者も考えながら読んでしまう。その分、しっかり書く必要も……。
これで上手いと納得させられる腕があれば強いのだけど。

P144<公証人制度>
結構こういう商売システムしっかりしてると映えるなぁ。

P152<ホロの理解力>
説明を一度で分かってしまうのも、一つの強さ賢さの指標。
ロレンスは頭固めで読者置き去りを少しするのだけど、
ホロがそれを上手く理解して簡単に言い換える役割も見事。
ここでは説明と、ホロの要領のよさ・賢さ提示を一気にやってる。

~P182<ビジネスの儲けのからくり>
私にはまぁ理解できるけど、もうちょい上手く説明できないかねぇ。
ここはもっと構図を単純に言い換えた方がいいような……。
噂を撒いて銀貨買わせて、供給過小にして上がらせて、
その上で一気に売って儲ける構図だと思うけど、読者分かるのかな……。

P182<ロレンスの嫉妬>
恋情ではなく、美しいからドキリとするだけというさっぱり感は、
なんだかとっても現実的。あとムード高まったときだけな大人な距離感。

P189~<ホロの二日酔い>
アテにしていたブレインが働かないシーンは、何かまずいフラグ。
言うべきことがあった気がする……もピンチフラグ。

P198<絵が上手い>
商売人は絵が上手い。言葉が通じない箇所では絵で取引もするし。
結構納得する理屈&スキル。

P201<ロレンスの町商人への憧れ>
P28~P30から連なるけど、ホロもロレンスも人恋しさを抱えてる。
夢は定住して縁を作ることって、それなりに共感を得るけど。
でも、それがかなったら旅が終わるし、余計にかなわないフラグが……。

P205<人恋しさの共有>
そっちのゲームなら、あっちのシーンをスムーズに導入できるシーンw
でも、こうお互いに寂しがっているのは微笑ましく柔らかな雰囲気。

P211<関与の口封じ>
やっぱりキター!! こうやって商売的な敵として展開を作るのか。

P236<ホロは狙われている
この世界観で教会とか悪魔憑き強調したのは、利用できる敵対勢力だから。
スリリングになってきた。なんかミナミの帝王を思い出すんだがw
力ある人間をいかに動かすか取引できるのも立派な手腕。

P262<犯人はヤレイ
妥当ではあるけど、みんな覚えていないような……。
一種の因縁のスムーズな解決としては、役割果たしてるのかな。

P267<ホロがもっとも傷つくこと>
思いやり親しみを失う寂しさ。その長年の連なる気持ちを共有し合えて、
ぐっと二人の距離が、互いの核心の寂しさに触れられて縮まる感じ。

P298<ホロの後戻りできない変身>
やっぱりこれはあるよねーとは思ってた。お約束の期待抑えるのは大事。

P300<そして拒絶>
恐れられたくない。友達でいたい。ただ何もなく親しまれたい。
そのために使わなかった変身。それを行う怖さ、失う怖さ。
敵なんて問題じゃない。それよりも二人が離れるのが一番怖い。

P308<視界はぼやける>
どうなったのか分からずエピローグに入るのも、分かってらっしゃる。




<総評>
ぶっちゃけ少しちぐはぐな感もあった気がしますが、総じて楽しんでます。
会話の絡みが純粋に楽しいのはものすごくありましたし。
というか、ああいう軽いノリでもっと続けてもいいかなーと個人的な好みでは。

あとちょっと上手く調和しなかったのが、後半のトラブルシーンですねぇ。
これまで難しい会話の橋渡しをホロで上手く緩和していたところありましたが、
あそこら辺だと誰もその辺の要約者、簡単に運んでくれる人がいない。
だから、急に緊張感が増して、少し読者を置いてけぼりにした感はありそうです。
読者を置いてけぼりでヒートアップはやはりまずいのですよね。

利害利用して力ある人を動かすとしても、もう少し説明を1ページでやりきらず、
もっと言葉や思惑を分量2倍くらいにしながら、じっくりやっていい気がします。
でも、それだとスピード感でないのかな、どーだろーか……。
しかし、これが独自性としてセールスポイントにはなってるのも確か。
経済の理屈はとある事情でそれなりに私は分かったりしますが、
まぁまぁ上手く利用したり、分かる爽快感は出せている気はします。
読めてやはりか、となるものもそれなりにあったりしますけどね。

あと少し方向性や、向かいたい雰囲気がごちゃごちゃな気もしました。
雰囲気が一貫せず三分されてる気もしなくはないんですよね。
最初牧歌的風景に和んだかと思いきや、二人の会話が前面に出て楽しみ、
何やらいつのまにかビジネスに快感を覚えている感じ。
2と3の繋がりはそこまで違和感ない気もするのですが、
1は他と結構親和性が無くて、変わってしまったなーと感じました。
最初の風景が最後につながっていない、寂しさのようなものがありました。
(むしろ、そこへの郷愁を断ち切るような展開になってますしね)
2と3についても、最後のビジネス加速は少し全般と不調和にも思えます。
それでも獣化シーンは一気にきたああああで持ち直しましたけどね。

逆に
この作品の肝は、二人の寂しさの共有と慰め合いをする、
その全般的なセンチメンタルさな気もするんですよね。
互いに寂しさを埋め合って、心温かくなる感じがすごくいいです。
そういう意味では、それが少なくなる後半の囚われシーンは寂しかった。
一気に別作品になったようにも、少し思えてしまいました。
やっぱ、この二人の掛け合いをずっと見てたい。
そう思えるくらい二人でのやり取りは楽しそうに感じたんですよね。
お互いにお互いをいじったり、それで驚きあったりして。
ときに寂しいときは、近づいてみたりもして。
このライクな信頼関係が、とても心地よかったです。
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00:05  |  ラノベ備忘録  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●まだ見ぬ世界のざわめき香りを抱きしめに行こう

 ・村瀬さん『狼と香辛料』を読む。

 ・直後 → 村瀬は少し旅行します。

 旅モノ読むと、無性に旅に出たくなる気持ちは分かるが! 分かるが!


 というわけで、9冊目は、エコノミカル・ファンタジー。

 でもね、この業界には、「物理と魔法が化学反応する、ケミストリカル・ファンタジー」なる宣伝文句を冠するライトノベルもあるんだぜ……?

 マジレスすると、こういう一度見たら忘れないキャッチコピーを考える力は切に欲しいです。


 経済ラノベ。
 とはいっても、『羽月莉音の帝国』みたいなガチ現代経済バトルではなく、牧歌的な雰囲気の中でわっちわっち可愛賢い会話に耽溺するための作品。異論は認(略

 しかるべきシーンを足すだけで、しかるべきジャンルのゲームになるよね!

 犯人のインパクト……。については、アニメ版で犯人変わったことが全てを物語っていると思われるw


>さて予想

 とりあえず、なんとか当てれて一安心。
 自然なチョイスではあるものの、たとえば禁書目録なんかに紛れる可能性も僅かながらあったからねぇ……。

 次回は……ノーヒントで当てなきゃダメっすか?w

豆戦士 |  2011年01月08日(土) 20:14 |  URL |  【コメント編集】

●次回ヒントあってもきついぜ……

 旅は1ヶ月前から決まってたけど、こういう旅をいい気分にさせる小説にあえたのは、いいご縁でした。

 キャッチコピーは考えるのはともかく、うまく考えられるような作品を作りたいなーとも思います。もっと全体像とかチャームポイント見えやすい作品作れるようになりたいです。


>とはいっても、『羽月莉音の帝国』みたいなガチ現代経済バトルではなく、牧歌的な雰囲気の中でわっちわっち可愛賢い会話に耽溺するための作品。異論は認(略

 異論が全くねえw その通り、会話の楽しさがほぼ全て、だあそれが絶対な気もします。つーか、犯人差し替えられてたのかw 今まで読んだ9冊の中で、一番空気だった気がしていたので、正解な気がしますw 


○次回
 次回2つなんだけど、友人の紹介になるので、私も前評判・事前情報なしなもので、傾向がまったく分からないんですよね。
 どっちもファンタジーはしてると思います。どっちも電撃です。
 片方はそれなりに作品重ねているけど、ヒットが表に出てこない方の最近の作品っぽい。
 もう1つは電撃大賞受賞作品で、こっちの方が有名かも。こっちはファンタジー色は薄そうだけど、なんとなく内省的っぽくて楽しみ。

 中身も評判も全然しらねーから、こっちがヒント困る罠www
村瀬薫 |  2011年01月10日(月) 14:57 |  URL |  【コメント編集】

●あらためて予想(最後なので長め)

 ぶっちゃけ電撃文庫はわりと知識弱いんだよな私w
 現在の最大勢力なのに。(だからか?)


 条件をまとめると、

 ・ともに電撃文庫、ファンタジーしてる。
 ・(1)片方はそれなりに作品重ねているけど、ヒットが表に出てこない方の最近の作品っぽい。
 ・(2)もう1つは電撃大賞受賞作品で、こっちの方が有名かも。こっちはファンタジー色は薄そうだけど、なんとなく内省的っぽくて楽しみ。


 というわけで。


(1)

 これは……ヒント少ねぇw

 細く長く活動している作家さんが多い電撃では、『断章のグリム』『竜と勇者と可愛げのない私』『輪環の魔導師』『アカイロ/ロマンス』などなど、条件を満たす作品が多すぎて絞る要素がなさすぎるw

 なのでもう仕方なく、第一勘を信じて『断章のグリム』に1票!


(2)

 電撃大賞受賞作。

 こう書くと普通は「電撃小説大賞の何かしらの賞を受賞した作品」と解釈されるんだけど、「電撃小説大賞の“大賞”を受賞した作品」という意味で使っている可能性も否定できない。


 ありそうなのを、リストアップ。


 ・『ヴァンダル画廊街の奇跡』(2009金賞)
 「人は誰もが、心の中に一枚の絵を持っている―。」とか、いかにも内省的(に見える)。
 条件は全部満たしそうだけど、(1)で“最近”って言っておいてこっちの方がより最近ってのはどうなんだろうか? 売れ行きはアレだが、最近効果により有名。

 ・『アクセル・ワールド』(2008大賞)
 主人公がデブでいじめられっ子な男子 → 内省的 みたいなステレオタイプ。

 ・『葉桜が来た夏』(2007選考委員奨励賞)
 さすがに有名……ではないか。

 ・『ミミズクと夜の王』(2006大賞)
 これを指してファンタジー色薄そうはねぇよw

 ・『塩の街』(2003大賞)
 内省的に見えるどうかは疑問。でもありそう。

 ・『キーリ』(2002大賞)
 さらに内省っぽさアップ。ありそう。


 これ以上遡ると読んでなくて判断できないのでストップ。


 消去法で、ヴァンダル・塩の街・キーリのどれかかなぁ……。

 というわけで、『キーリ―死者たちは荒野に眠る』に1票。




 こんだけ候補挙げといて、かすりもしてなかったら笑ってやってくだせぇ。

豆戦士 |  2011年01月10日(月) 18:05 |  URL |  【コメント編集】

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